dアニメストアよりお届けしている、配信中の注目アニメや原作ノベル・コミックについて、アニメの世界で活躍する方にお話を伺うインタビュー企画。2回目に登場してもらったのは、アニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅡ』(以下「GGOⅡ」)のオープニング主題歌“GG”を担当するReoNaさん。2018年放送のTVアニメ1期から「神崎エルザ starring ReoNa」として楽曲を発表し、『GGO』と長い時間をともに歩んできたReoNaさんが語る、『GGOⅡ』の魅力とは――?
ステージで日笠さんに「ふたりでひとつだね」と言っていただけたことが、
心に残っています
――『GGOⅡ』の主題歌「GG」を、10月19日・20日に東京ガーデンシアターで開催された2daysのライブで披露しましたが、反応はどうでしたか。
ReoNa:お客さんが期待してくれていると感じましたし、19日はReoNaのライブとしては珍しく声出しもペンライトもOKだったこともあって、初披露なのに今まで届けてきた曲と変わらない温度感で盛り上がってくださっていて、すごく新鮮でした。
――1日目の「AVATAR」では、『GGO』の神崎エルザ/ピトフーイ役の声優・日笠陽子さんとも共演を果たしました。
ReoNa:呼吸をあわせながらやってくださって、もちろん脚本はありながらも本当に会話をするように一緒にやらせていただきました。最後、ステージで日笠さんに「ふたりでひとつだね」と言っていただけたことが、心に残っています。ふたりでひとつのものを一緒に作らせていただいた相手が日笠さんで、本当によかったな、と思います。
――「GG」という曲自体にはどんな手応えを感じていますか。
ReoNa:作るときに一歩踏み込んで、「ReoNaがグランジをやる」というところや、楽曲の熱さ、激しさは制作のときから意識していました。5周年を終えて6年目に入ったReoNaが、エレキギターをかき鳴らしながら、グランジで激しく叫ぶお歌になるとイメージしていたので、ライブで披露するときにも、バンドメンバーに「この曲は10歳若返って激しくプレイしてください」と伝えています。
――そもそも、曲の中で「叫ぶ」ことがレアですよね。
ReoNa:そうですね、挑戦だったと思います。レコーディングも挑戦でした。
――「GG」では作詞にも参加してますね。
ReoNa:(編曲に参加しているクリエイターの)毛蟹(LIVE LAB.)さんが「グランジは叫びだ」とおっしゃっていたことが、この曲のひとつの軸、大きなテーマになっています。わたしも今回改めてニルヴァーナを聴き返して、「グランジって何だろう?」と考えているときに、「叫び」というテーマはすごくいいな、と思いました。心情の吐露だったり、心のうちを素直にさらけだすことだったり、これまで歌詞や言葉を大切にしてお歌を紡いできた中で、「GG」はReoNaのお歌の中でも素直な言葉たちが並んでいると思っていて。曲の激しさと言葉の素直さでまっすぐに届いてくるお歌だなって思います。
『GGO』は、FPSが好きな人、「ソードアート・オンライン」が好きな人、戦う女の子のお話が好きな人、いろんな受け皿が用意されている作品
――2018年から長く一緒に歩んできた『GGO』の楽曲に「ReoNaとして」向き合うのは今回が初めてなわけですが、当時と今とでご自身はどう変わったのか、今の自分なら『GGO』にどんなことを返せると思ったのか、教えてください。
ReoNa:6年を経て『GGO』が帰ってくる、となったときに真っ先に思ったことがふたつありました。まずは純粋に続きが観られる嬉しさと、「今のわたしだったら何か恩返しができるんじゃないか」って、おこがましくも思いました。これは、お歌を届けてきた6年間がある今だからこそ思えることだな、と思います。始まりの頃は全部がもらうばかりで、わたしって何ができているんだろう、本当にわたしでいいんだろうかと思っていて、すごく不安定でした。できあがった曲を精一杯歌うことしかできなかった当時と比べると、今のReoNaとして何ができるのか、どう恩返しできるのかを考えられる今に立てているのは、間違いなく変化だと思います。
――具体的には、何をもって恩返しできると思いましたか?
ReoNa:ReoNa×『GGO』だからこそできることってなんだろう?と考えたときに、わたし自身もFPSやサバイバルゲームが好きで、なんといっても『GGO』が好きで、恩があって、だからこそ『GGO』にめいっぱい寄り添って、ReoNaとしてお歌を歌えることが最初の恩返しだと思いましたし、楽曲の最初の形ができたときに、勝手ながら『GGOにぴったりだ!』と感じました。GGOの映像と一緒に流してみると、ピンク色の荒野や、銃をもって駆け抜けるレンちゃんと重なって、ぴったりだなって。『GGO』の景色にハマった気がして、「この曲だったらお返しできるんじゃないか」と思いました。
――6年間関わってきた『GGO』は、作品に寄り添ってお歌を届けるシンガー・ReoNaの原点でもあるわけですが、原作小説に出会ったときにはどんな魅力を感じましたか。
ReoNa:出会った当時は、わたしが一番FPSのゲームにハマっていた時期だったのと、学生の頃からサバイバルゲームが大好きで、(「ソードアート・オンライン」の)シノンと同じグロッグG18Cというハンドガンを持って、走り回ってました(笑)。当時、もちろんアニメ『ソードアート・オンライン』(以下『SAO』)も観ていたし、2期の「ファントム・バレット」編の舞台が「ガンゲイル・オンライン」なのも知っていたし、ユージオと出会うまでは一番好きなキャラクターがシノンでした。「ガンゲイル・オンライン」という『SAO』の外伝があるんだ!と知ったところから始まって、書かれているのが「キノの旅」の時雨沢恵一先生だったこともあって、すごく興味をそそられました。
いざ読み始めたら、登場人物はみんな魅力的だし、感情移入できる幅がすごく広い作品だと思いました。FPSが好きな人、『SAO』が好きな人、戦う女の子のお話が好きな人、いろんな受け皿が用意されている作品だと思います。わたしは小説を読むのは早い方なんですが、本当に一息で読み終わるくらいハマりました。普段ライトノベルを読まない人でも、想像しながら読める余地がたくさんある作品だと思います。
――「神崎エルザ starring ReoNa」として深く関わってきた神崎エルザ、ピトフーイに共感すること、好きだなと思うポイントはどこですか?
ReoNa:現実でどんな人間であろうと、それこそ神崎エルザは街中を歩いたらすごく注目されるだろうし、人前に立つ身としてなかなか他人に言えないこともあるだろうし、そんな現実を生きていても、ゲームの中ではまったく別の人として思っていることを素直に言えて、包み隠さず自分の衝動をさらして立ち振る舞っていて――やっていることは突拍子もないけど、人となりがとてもリアルだなって思いました。もともと悪役っぽいキャラクターを好きになりやすいこともあって、序盤ではレンちゃんの前に立ちはだかる、仲間でありライバルでもある存在なので、そういうヒールキャラ、魔王っぽい振る舞いと、その裏にはかわいらしい姿のリアルもあって、魅力的だなって思います。
――レンについてはどうですか?現実ではうまくいかない自分がいて、一方仮想空間では自分らしくいられる、という人物ですが、感情移入できる部分もあったのでは。
ReoNa:そうですね。自分自身のコンプレックスとか、現実では叶えられないことを投影して、ゲームの中の仮想空間におけるなりたい自分、好きな自分でいられるというのは、『SAO』全体を通して憧れるし、共感できるところです。そしてレンちゃんを見て思ったのは、「GGOの才能があってよかったね」ということで(笑)。(愛銃の)P90を持ってひたすら走り回る才能があるのって、『GGO』とレンちゃんの運命的な出会いじゃないですか。自分が自分らしくいられる場所で、得意なことと好きなものを同時に見つけられるのは、すごく運命的なことだと思います。レンちゃんには一緒に戦場を駆け抜けてくれるフカ次郎がいて、フカ次郎もすごく魅力的な子だと思います。レンちゃん本人の中にはきっと取り戻せない葛藤やコンプレックスもあるんだろうけど、どこかにいそうな子だなって思えるところがあります。
――『GGO』の原作者の時雨沢先生とは、6年間の中でいろいろとコミュニケーションを取る機会があったと思いますが、どんなことが印象に残っていますか。
ReoNa:最初から制約なく歌わせていただいたことです。当時、楽曲に向き合って、人に届くお歌を歌うだけで精いっぱいだったわたしに、「ああしてください、こうしてください」とお願いをされていたら、きっと今の神崎エルザにはたどり着けていなかったと思います。デビュー前の何者でもなかったわたしのライブにお歌を受け取りに来てくださって、曲の制作でも委ねてくださいました。そのことは忘れてはいけないし、忘れられないです。
――『SAO』にもTVアニメだけでなくゲームの主題歌でも関わってきたわけですが、川原礫先生にかけられた言葉で印象に残っていることは?
ReoNa:初めてのアルバムをリリースした時期(1stアルバム「unknown」。2020年10月7日発売)に、配信番組のサプライズで川原礫先生からお手紙をいただいたことがあって。ライブができなくて、自分がお届けしているお歌へのリアクションから離れている時期に、「ReoNaさんは絶望系アニソンシンガーという言葉を掲げて活動していらっしゃいますが、その絶望の裏にあるのは希望だと思います」という言葉をいただきました。礫先生は絶望と希望を表裏一体に描いてこられた作家さんだと思っていて、先生がそこまで汲み取ってくださったことがすごく嬉しかったです。その感動は、きっと一生忘れないです。
――『GGO』で好きなシーンやセリフについて教えてください。
ReoNa:いっぱいあるなあ……ピトフーイが「銃は人を裏切らないから」って言うシーン(アニメ1期2話)が印象に残っていて。そのとき、ピトフーイにとって人や仲間は裏切るものなんだなって思ったんです。いろんなところで裏切られて、最後に残ったのが銃だったんだなって。ゲームに傾倒する彼女は、あまり弱いところをみせずにひょうひょうとしている、気前のいいお姉さんみたいなところがある中で、ずしっとその一言が出てきたのが印象に残っています。レンちゃんが『GGO』にハマって成長し始めた時期だったことも、印象的でした。
――レンとピト以外にも推しのキャラクターはいますか。
ReoNa:フカ次郎が大好きなんですけど、フカ次郎の魅力はアニメの前半から描かれているので、好きですということは伝えしつつ、この先に期待を持っていただく意味で――まだアニメでも描かれきっていないですけど――全日本マシンガンラバーズが、ちょっとずつブラッシュアップされていくんです。彼らはこれからまだまだ成長しますし、見せ場もあるので乞うご期待!です(笑)。あと、アニメでもシャーリーとクラレンスが邂逅しましたが、ピトフーイへの恨みを燃やして戦いに臨むシリアスガールのシャーリーと、平気で味方を裏切って、ただただ自分が楽しい戦い方をするクラレンス、ふたりの物語も進展していくので、気になる方はそのあたりのお話が詰まっている原作小説を読んでいただきたいです。
――『GGO』の中に入ってスクワッド・ジャムに参加するとしたら、どんなアバターで何の役割をしたいですか。
ReoNa:戦い方としてはレンちゃんが近いと思います。アジリティを上げて……重たいものを持ちたくないので、フカジ次郎とかエムさんのような戦い方は難しいのかな、と思います。その上で、サバゲー好きとしてはハンドガンや小型の銃が好きなので、走り回ってこまごま削っていきたいです。アバターも的になりにくい、レンちゃんのような小柄な感じがいいです。
――これから『GGO』の原作小説やコミックをこれから読む人にオススメするとしたら、どんなポイントを紹介しますか?
ReoNa:好きになれるポイントがすごく多い作品です。人間模様もたくさん描かれていて共感できることもあれば、突拍子もない戦術が登場して驚かされることもあって、共感と驚きがたくさん詰まっている作品です。わたし自身、小説を一気読みできたくらい、読み口としても読みやすい作品なので、ぜひ原作小説もコミカライズも読んでほしいです。
――dアニメストアで『GGO』のアニメを視聴している方、書籍を読む方にメッセージをお願いします。
ReoNa:わたしが『GGO』に出会って読み始めたとき、まさに自分の「好き」との掛け算もあいまってワクワクしましたし、先に原作を読んでいたからこそ、頭の中に思い描いていたことがアニメで具現化していくのも、とてもワクワクする体験でした。いま放送中のアニメででも、小説を読んだときに一番映像で観たいと思ったシーンがこの先にあります。これから観る方も、観続けている方も、この先の展開にはいっぱい楽しみが待っているので、この『GGO』の世界に飛び込んで、ゲームの中の世界を楽しんでいただけたら嬉しいな、と思います。
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2018年4月クールに放送された TVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の劇中歌を歌う劇中アーティスト=神崎エルザの歌唱を担当し、「神崎エルザ starring ReoNa」として、ミニアルバム『ELZA』をリリース。2023年3月6日には、初の日本武道館ワンマン公演を開催。最新シングル「GG」のリリースに続き、12月25日(水)には神崎エルザ starring ReoNaとしての2ndミニアルバム「ELZA2」を発売予定。2025年3月からは全国6都市をめぐるReoNa ONE-MAN Live Tour 2025 “SQUAD JAM”を開催する。
© 2023 時雨沢恵一/KADOKAWA/GGO2 Project
「ちひろさん」
ReoNa:主人公のちひろさんという女性がとにかく孤独で、でも魅力的で。思春期の頃、自分と他人の境界線とか、普通って何だろう?とか、人の生死について考えることに心の比重を取られているときに出会って、すごく楽になりました。「こういう目で世の中のことを見ていていいんだ」って思わせてくれて、わたしの人格形成に影響を与えた大事な作品です。
「図書館の大魔術師」
ReoNa:本が大好きな主人公の異世界もので、世界観の設定がとても作り込んであって、単行本が出ると原作者さんがSNSに設定集を放流してくれるんです。メタな視点と作品の中のファンタジーのバランスが面白くて、1巻を読んで好きだったらずっと好きになると思います。本のページをめくるワクワク感、物語の世界にダイブする気持ちよさを経験したことがある人にオススメです。もしアニメ化されるなら、主題歌を歌いたいです……!