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特集 LiSA×『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』

INTERVIEW LiSA×俺だけレベルアップな件
INTERVIEW LiSA×俺だけレベルアップな件

dアニメストアからお届けしている、配信中の注目アニメや原作ノベル・コミックについて、アニメの世界で活躍する方にお話を伺うインタビュー企画。5回目に登場してもらったのは、第1回にも登場してもらったLiSAさんです。TV アニメ『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』のオープニングテーマ「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」を担当するLiSAさんに、楽曲の背景と『俺だけレベルアップな件』の魅力についてお話を伺いました。

INTERVIEW

楽曲を受け取ってくれる人が
世界中にいることを意識していました

――昨年の秋から年末にかけて走り切った、8都市16公演の大規模なアリーナツアーを振り返っていただけますか。

LiSAツアーが始まった当初はアニバーサリーっぽいライブというか、エンタメに寄せたライブになっていました。アリーナの大きな会場で、音や気持ちが会場全体に伝わる速度は一緒ではないと感じていたので、遠くの人たちにも届く演出を組まなきゃ、と思って大きなセットや演出をいろいろ入れて、「これをどうアレンジしていくかだな」と思っていました。自分がやりたいことや、客観的にわたしがファンだったとしたら観てみたいことを詰め込んだんですけど、それがなじめばなじむほど、いろんなところに連れていってくれるライブになった感じです。重ねれば重ねるほどに、思いが強くなっていくライブだったと思います。

――お客さんにたくさんの「嬉しい」をもたらしたライブだったと思います。一方で、規模も大きいし本数も多いし、ツアーとしてはハードな体験だったのでは?と感じますが、ツアー中は何が原動力になっていたんでしょうか。

LiSAわたしも嬉しいんです。タイアップに呼んでもらえること、LiSAの名前を挙げてもらえることも嬉しいし、自分が必要としてもらえることが嬉しいから。その中で、わたしにとって大切なライブの中で、なんとなくやれることってなくて。一個一個、ちゃんと魂を注いでやりたいし、アリーナツアーができることもすごく嬉しいから、そこでできる精一杯をやりたい。わたしのライブに初めて来てくれたゲストの方が絶対に最初に言うのが「お客さんすごいね」なんですよ。ライブハウスでも、ホールでも、アリーナに来てもらっても、最初の感想は「お客さんすごいね」なんです。だから、お客さんと一緒に作っているわたしのライブは、もし演出がなかったとしても、それが一番の演出なんだなって思いました。会場の規模が大きくなるほど入り込める、巻き込めるように、一瞬にして全員を巻き込むことを考えています。

――新曲であり『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』のオープニングテーマである「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」、ものすごくカッコいいですよね。LiSAの新曲として世に問う楽曲は常に自信作なんだとは思いますが、今回は特に手応えがあるんじゃないですか。

LiSAわたしからすると、すごく新しい楽曲です。アニメソングの世界に飛び込んだ頃、こういう曲が強い時代だったなって思いました。力強さを感じるデジタルロックというか。それがアニメソングとして強かった時代があって、一周回って自分がそれをできるようになりました。最初はそういう曲が強いフィールドを壊すような気持ちで、ロックをもってアニメの世界に飛び込んでいった感じだったけど、今回は「こういうカッコいい曲があるよ」って、世界に持っていく感じがありました。

――「俺レベ」のアニメを観ている人、マンガを読んでいる人は本当にたくさんいて、1期も続きが気になるところで終わったので、期待値がとても高かったと思います。そういう作品の主題歌である、ということは、制作のときどのように意識しましたか。

LiSA日本だけじゃなく、世界的に人気の作品であることは意識していました。澤野さん(作曲・編曲の澤野弘之)は、世界に対してのアンテナがすごく強い人で、トレンドを意識しながら作り続けてきて、澤野さん自身も自分の音楽を進化させてきた印象があります。澤野さんは「今の自分の中の音楽のトレンドは、生音よりもこういうサウンドなんだ」と言っていて、世界の音楽のトレンドを意識して作ってくれています。わたしも、楽曲を受け取ってくれる人が世界中にいることを意識していました。

――「これぞ『俺レベ』の楽曲だ」という印象を受けましたが、作品にしっかり入れている、潜れている実感もあったんじゃないですか。

LiSAはい。澤野さんとBenjamin さん、cAnON.さん(作詞)が、作品に寄り添ってくれる楽曲を作ってくれたのは、とても大きいです。だから、歌うことに徹することができたというか。

――曲に関して、澤野さんとはどんなコミュニケーションをしたんでしょうか。

LiSA澤野さんって、すごくはっきりしている人なんですね。自身の中には譲れないものがあって、曲について意見を言ったときも、わたしがどういう気持ちでその話をしているか、事細かに聞いてくれるんです。聞いた上で、自分が譲れないものを形にして出してきてくれる。やり取りしていて面白いですね。澤野さんの、人にわかってもらおうとしているのではないところが好きです(笑)。

――(笑)今回楽曲に参加しているStray Kidsのフィリックスさんには、楽曲資料のコメントで「LiSA先輩」と呼ばれていますね。彼らとは2023年にもコラボレーションしていますが、世代も国籍も違う表現者同士であるStray Kidsとの共同作業で感じたこと、得られたことって何ですか。

LiSAStray Kidsさんに呼んでもらったのはすごく貴重な体験で、まさに世界に向けて戦っている人たちだし、世界を意識して楽曲を作って、パフォーマンスをしていて。日本に来るときも、ちゃんと日本のことが好きで、来てくれている。それは愛されるだろうな、世界に行っても愛されるなって思うことが、彼らの姿勢も含めていっぱいあります。それが、すごく刺激になりました。その上で、日本のアニメや、わたしが関わらせてもらってきた作品のことも好きでいてくれて、それがお客さんにも伝わっている感じがします。わたし自身は、「日本で作っているものがそのまま世界に受け入れられたらいいな」みたいな感じだったけど、Stray Kidsから学んだこととして、世界の人たちに見てもらえる作品なのであれば、きちんと世界を意識して向き合うことが必要だなって思います。

――フィリックスさんが「ReawakeR」で披露しているラップのパフォーマンスについてはどんな印象がありますか。

LiSA彼の甘いビジュアルからは想像できないくらい、低い声が出ているじゃないですか。わたし自身はあまりラップに触れてこなかったけど、細身の身体からあの声が出るのは、楽器として不思議だなって思います。わたしは自分自身が細長いから、今の自分の声が出ると思っているんですよ。身体って楽器で、わたしはたとえるなら自分はバイオリンだと思っていて。骨格によって人の声は変わると思うんですけど、たとえばチェロって大きくて、空間を身体で鳴らすから低い音が出るんだと思います。でも彼に関しては、細身の身体であの声が出せるのが不思議だなって思います。しかも彼は、しゃべるととてもキュートなんですよ。

傷つかないように生きていこうとしていると、自分の中の何かが死んでいくような気がするし、
強くなるためには、傷ついてからじゃないと強くなれない

――「俺レベ」はもともとアニメもマンガもご覧になっていたそうですが、この作品の魅力は何だと思いますか。

LiSAもともとマンガを読んでいたんですけど、絵が美しいとか、キャラクターが魅力的っていうこともあるけど、惹きこまれる理由はそれだけではないと思っていて。この作品って、悪いヤツは徹底的に悪いヤツだし、それを容赦なく倒すじゃないですか。

――悪いヤツがだいぶ欲望に忠実なところはあるような気がします。

LiSAそう、それです。自分の話になっちゃうけど、わたしは憂鬱になるような映画やアニメが大好きで。それって、「世の中ってそういうものだよね」って思いたいからなんです。でないと、自分が受けてきた悪運なようなものに、理由がつけづらいというか、それと向き合って、戦ってきたわたしの気持ち返してよってなる、というか。いい人はちゃんと救われます、ではない物語に救われたい気持ちがあります。それを発散してくれる映画やアニメやマンガが好きなんですけど、「俺だけレベルアップな件」はその部分を持っている作品だと思ってます。主人公も、自分が相手を倒すことで、自分の中で何かが死んでいく感覚を、都度モノローグでも言ってくれるし。

――そうですね。

LiSAこの作品の一番面白いところは、謎が多いところだと思います。なぜ彼だけがレベルアップしていくのか、システムが彼に言っていることは何なのか……結局彼は、なんでシステムにミッションで「殺せ」と言われるのか、結果それは何なのか、最終的に彼がどんな決断を下すのか、そういうミステリー的な要素が気になるんだと思います。そのために、ただ戦っていくだけじゃなくて、彼が強くなった先にどんな道を切り開いていくのか、どんな選択をするのか、が気になるから観てしまう。あと、悪いヤツがちゃんと悪くて、容赦なく報いを受けるところも気持ちがいいんだと思います。

――この作品を象徴するワードのひとつが「再覚醒」ですが、再覚醒という言葉から思い浮かぶ自身のエピソードについて話していただけますか。前にできなかったことができるようになった、見えていなかった景色が見えるようになった、とか。

LiSA主人公の旬の、大変な思いをするたびに強くなっていく、強くなるにつれて何かが死んでいく、みたいなセリフがあって(「前とは比べものにならないほど強くなった。だがどういうわけか強くなるにつれ、俺の中にある何かが崩れ落ちていくような気がする」TVアニメ9話より)。わたし自身もそれを実感しているところがあって、それは表裏一体だと思います。傷つかないように生きていこうとしていると、自分の中の何かが死んでいくような気がするし、強くなるためには、傷ついてからじゃないと強くなれないし。自分の育ち方として、強くなってきた自信を得られるのは、痛みを経験したからこそ強くなってきたからだっていう自覚があって、だから彼の言葉が効きました。たとえばライブ中もそうですけど、苦しい瞬間を超えたときに覚醒している感じがある。だから、苦しい思いをしないと、覚醒できないんだなって思う。痛みと再覚醒は表裏一体だし、必要なことなんだと思います。

――なるほど。では、dアニメストアで「俺だけレベルアップな件」のアニメを視聴する人、マンガを読む人に、メッセージをお願いします。

LiSA「俺だけレベルアップな件」で覚醒した主人公の旬のように、澤野さんもフィリックスさんもわたしも、いろんな場所で戦ってきました。そんな「ReawakeR」を、皆さんにも楽しんでもらえたらいいな、と思います。

プレゼント(Xキャンペーン)

※本キャンペーンは終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

 キャンペーン詳細 

LISA

2011年4月20日デビュー。「ソードアート・オンライン」「魔法科高校の劣等生」「鬼滅の刃」など、数々の人気アニメ作品で主題歌を務める。2025 年 1 月放送の TV アニメ『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』オープニングテーマ「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」は、各配信サイトにて配信中&CD発売中。5月14日(水)、15日(木)には日本武道館での2days公演「LiSA LiVE is Smile Always~RiP SERViCE~」を開催。6月からは自身初となる北米ツアーも決定している。

LISA

©Solo Leveling Animation Partners

更新日:2025年4月1日