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特集 片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜

INTERVIEW FLOW。7/31まで!「おっさん剣聖」ノベル・コミックが全巻30%OFF!

2025年4月からTVアニメ第一期が放送された「片田舎のおっさん、剣聖になる」(以下、「おっさん剣聖」)。第二期の制作と2026年の放送も発表されて話題を呼んでいる本作は、ノベルとコミックも多くの読者に支持されています。今回は、TVアニメ「おっさん剣聖」第一期のエンディング主題歌「Alright!!!」を担当したFLOWのKOHSHIさん・TAKEさんのおふたりに登場いただき、作品の魅力を伺いました。

片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜

片田舎で道場を構えるしがない剣術師範の中年、ベリル・ガーデナント。
剣士としての頂を目指した日々は遠く過ぎ去り、自身の実力に気持ちの折り合いをつけてのんびり過ごしていた彼のもとへ、今や王国騎士団長にまで出世した元弟子の一人、アリューシアが十年の時を経て来訪する。
「先生を騎士団付きの特別指南役として推薦し、無事承認されました」
このまま田舎暮らしで静かに生涯を終える、それでも構わないと割り切っていたベリルの運命が、大きく変わる――!
都会での生活。大きく成長した元弟子たちとの再会。新たな仲間、そして強敵との巡り会い。
「俺みたいな峠を過ぎたおっさんには、荷が重すぎるよ……」
そう思うベリルだが、長きにわたり実直に鍛え続けた剣の腕は、“片田舎の剣聖”と称されるほどの凄まじい領域に達していて――。

INTERVIEW

一言で言うなら
「おっさんの時代が到来したな」と(笑)
(TAKE)

――FLOWの最新シングルであるTVアニメ「片田舎のおっさん、剣聖になる」のエンディング主題歌「Alright!!!」は、気づいたら何度も聴いてしまう、不思議な魅力を持った曲だと思います。聴き手にどんどん浸透していくような曲ですが、おふたりはどんな曲になったと感じていますか。

TAKE海外のライブでも演奏をさせてもらっていますけど、この楽曲が持つ独特な空気感で、会場があたたかい空気になることは、自分たちでも感じています。

KOHSHI書いたのがワールドツアー中で、デビューして20年を振り返りながら、現状を感じながら書いた、思い出深い曲になりました。

――歌詞や曲を書く際に念頭に置いていたこと、軸に設定していたポイントは何でしょうか?

TAKE基本的に、アニメのタイアップをやらせていただくときは、原作があれば原作、原作がなければ絵コンテや設定集を参考にさせていただいて、世界観を理解した上で書いてます。今回は「おっさん剣聖」のコミカライズを読ませてもらって、めちゃめちゃ面白くて、一気読みしました。その上で制作に入ったんですが、今回はエンディングということで、読後感の気持ちよさを意識して作りたい、というところからスタートして、世界観としては中世のヨーロッパのような街並みや人物描写があったので、民族楽器をフィーチャーした音色は相性がいいだろうなと思って、サウンドスケープを構築しました。

KOHSHIタイトルにある通り、おっさんがその歳になって平穏な暮らしになるのかと思ったら、急にいろんなところに引っ張り出されて、弟子たちと新たな目的に向かっていく、というストーリーが楽しいなと思いつつ、俺たちもおっさんになったし、自分たちが20年やってきたことで海外に引っ張り出されたり、フェスをやったり、新たな旅路が始まる感じも含めて自分たちと重なる部分を感じてました。「これはもう、ほぼ俺たちのことを書いても作品にハマるな」と思ったので、歌詞もすごく書きやすかったですね。

――海外に引っ張り出されたんですね(笑)。

KOHSHI完全にアニメのおかげです(笑)。求めてもらえているのはありがたいです。

――海外のお話もそうですが、FLOWはどんどんチャレンジをしていくバンドの印象がありつつ、キャリアを20年重ねてきたからこその懐の深さ、ある種の余裕、そこからくる優しさも、「Alright!!!」に含まれているような気がします。

KOHSHI自分に子どもができたことも大きいと思います。今まで感じていなかったようなことも歌詞に込めたいな、という意図はありました。

――今回、楽曲制作にあたりコミカライズを読まれたということですが、「おっさん剣聖」という作品全体にはどんな印象を持ちましたか。

TAKE一言で言うなら「おっさんの時代が到来したな」と(笑)。自分たちが近い年齢であることの共感はありましたけど、「おっさん無自覚系ファンタジー」ということで、とにかくベリル・ガーデナントの人柄がポイントだと思いましたし、彼が積み重ねてきたものだったり、弟子への愛情だったりで、アリューシアの来訪により騎士団の特別指南役に選ばれる未来はあったんじゃないかと感じつつ、長い間重ねてきたものが形になるというのは、すごくいいお話だな、と思いました。

KOHSHIベリルが道場から引っ張り出されながらも、その中で自分の責任を感じながらしっかりとこなしているおっさんに、カッコいいな、こういうおっさんいいな、と、読者として感じました。

――特に好きなシーン、印象的だったセリフはありますか?

TAKEベリルの強さが最初に表現された、騎士団副団長のヘンブリッツくんとの手合わせですね。そこで団員のみんなが「ベリルやばい」となった印象深いシーンではあったので、そこから物語が進んでいった印象はあります。

KOHSHIベリルが自分の責任を自覚した瞬間は、やっぱりグッときました。

――ノベルの設定ではベリルは45歳、実力はありながらも自己評価は低いという、ある種うらやましささえ感じさせる人物で――

TAKE憧れますね(笑)。それも本人の積み重ねを形にしていて、昨日今日で急に強くなったわけではないところに、好感が持てますよね。

――ベリルに共感する、わかるわ~、と思うところはどこでしょう?

TAKEベリルにとっての剣術が、FLOWにとってのアニソン、という考え方もできると思ってます。彼は剣術をずっと突き詰めてきた結果、指南役に選ばれますけど、自分たちも22年前「NARUTO -ナルト-」のテーマソング「GO!!!」で初めてアニメとタイアップをさせてもらってから、目の前のことに一生懸命取り組んできて、「エウレカセブン」や「コードギアス」、「ドラゴンボール」や「キン肉マン」まで続く――アニメ関連曲だけでも40曲弱あるんですけど――1年2年では構築していけない財産だし、それが20年以上かけて作れたことによってワールドツアーを回らせてもらったり、新しい道に進めるようになったのは、剣術とアニソンで共通点があるな、と思いました。

――今のお話を聞いていても、海外に呼ばれるのも、作品に呼ばれるのも必然なんだなあ、と思います。

TAKEオープニングが西川貴教さんでエンディングがFLOWは、マジで「おっさん狙いにいってるな」と思います(笑)。

KOHSHIベリルが自分を過小評価するところは、ステージに上がる前の自分と重なるし、まわりを見たらいいバンドやいいミュージシャンがいて、それを見て「ちくしょう」って頑張って練習するところもあるけど、いざステージに上がったら「俺が一番だ」と思ってパフォーマンスをしているところは、似ているのかなって思います。まわりの人が奮い立たせてくれているところがあります。

――逆に、ベリルを見ていてもどかしく感じるところはありますか?

TAKE弟子から言い寄られても全部勘違いにしているところは、ちょっとくらい認めてもいいんじゃないかなって思いますね(笑)。謙虚です。

――ベリル以外でお気に入りのキャラクターはいますか?

TAKE弟子のフィッセル推しでございます。外伝の「はじまりの魔法剣士」も読みました、推しなので。フィッセルは剣術をベリルに教わって、その後ルーシーに魔術を教わるじゃないですか。まったく違うものの掛け算で唯一無二になるのは、ミクスチャーロックバンドと共通するものがあるな、と思っていて。ロックとヒップホップ、ロックとダンスミュージック、今回の「Alright!!!」はロックと民族音楽ですけど、その掛け算は個性として魅力的だなと思いますし、この作品の中ではフィッセルならではだな、と思います。

KOHSHIスレナ・リサンデラです。シンプルに、見た目がタイプです――以上です(笑)。

――今後も続く「おっさん剣聖」の物語で、どんなことを楽しみにしていますか。

TAKE最終的にはベリルに幸せになってほしいですね。そういう意味では「誰を選ぶのか?」は読んでいる人にとっての注目ポイントだと思います。

KOHSHI最後まで結局誰も選ばないのがベリルっぽいな、とも思っていて、作品をずっと楽しめるのかな、と思います。誰も選ばないんだけど、名は轟いてるっていう。

――「おっさん剣聖」の世界に行けたとしたら何をしたいですか?

TAKEいやあ、素振り1日千回は難しいな(笑)。音楽で関われると面白いんじゃないですかね。国王の晩餐会みたいなところで演奏するとか。FLOWのまま作品に入って、音楽で盛り上げてみたいですね。

KOHSHI絶対に剣は振りたくないので、ベリルとおっさん同士で飲み仲間になれたらいいなと思います(笑)。

(「おっさん剣聖」は)
今まさに壁にぶつかっている人に、
それが最終的に道になったり、何かを見つけるきっかけに
なったりすることを教えてくれる作品
(KOHSHI)

――6月に開催された「FLOW THE FESTIVAL」は素晴らしいイベントでした。バンドとして主催している「FLOW THE FESTIVAL」について、今後どんな展望を持っていますか。

TAKE立ち上げたからには最低でも5年は続けたいな、という意志がありまして、毎年色が違う、聴きたいアニソン、聴きたい曲が皆さんにもあると思いますので、バリエーション豊かに見せていけたらいいなと思います。FLOWはロックフェスにもアニソンにも出させていただいたことがあって、それぞれのよさがあると思うんですよね。それを融合して、1日楽しめるようなフェスにできたら嬉しいですし、カルチャーの交差点として機能していくことが、「FLOW THE FESTIVAL」として大事なポイントかな、と思っています。

――フェスも含めて、FLOWとしては今後どんなことを大事にしながら活動していきたいと考えていますか。

TAKE以前、「NARUTO -ナルト-」総合監督の伊達勇登監督と対談をしたときに、すごく印象的な言葉をいただいたことがあって。「我々は作品を作ったら、そこで完結する。でも皆さんは、作品の楽曲を生で届けにいくことができる、だからこそ届け続けていってほしいです」とおっしゃっていただいて、自分たちがワールドツアーも含めて楽曲を届けていく使命感になっています。この先も、自分たちにしかできないスタンスで活動を続けていけたらと思います。

KOHSHI曲は生き物だと思っていて。場所や世代が変わっても、ライブハウスや会場にいる人たちのアニメや音楽への愛情は変わらないし、自分たちはそれを地球の裏側までライブをしに行って体感しているので、ライブを大切に活動していきたいです。

――FLOWにとって、アニメ音楽とはどのような存在だと感じていますか。

TAKEみんなの思い出のひとつになれることは、楽曲が作品と紐づいて皆さんの記憶に深く残ってくれたということだと思うので、バンドの活動を広げてくれた存在です。

KOHSHI自分も幼少期にアニソンで育った身としてすごく大切ですし、まさか自分がアニソンを歌って世界に行けるとは思っていなかったので、「アニメが好きでよかったな」と。「こんなおっさんになってもアニメ観るんだ?」と自分でも思うし、アニメとは切っても切れない関係になったので、このままずっと関係が続いていけばよいなと思います。

――では最後に、dアニメストアで「おっさん剣聖」の書籍を読んでくれる方にメッセージをお願いします。

TAKE剣術の対決シーンも見どころですし、ベリル・ガーデナントの人柄に触れてほしいです。人間関係の深さ、絆の温かさ、人生の後悔と救済、ひとつのものを突き詰めてやり遂げることの素晴らしさ、思い上がらずに生きていく姿勢――そういったものは日頃忘れてしまいがちですけど、この作品は説教臭くもなく改めて気づかせてくれて、単純に弟子と戯れてほっこりもさせてくれる素敵な作品なので、ぜひこの機会に触れてみてください。

KOHSHI面白い作品でありながら、今まさに壁にぶつかっている人にも、それが最終的に道になったり、何かを見つけるきっかけになったりすることを教えてくれる作品なのかな、と個人的に思っていて。何があっても「Alright!!!」と感じられる作品なので、ぜひ楽しんでいただきたいな、と思います。

プレゼント(Xキャンペーン)

※本キャンペーンは終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

 キャンペーン詳細 

FLOW

1998年に結成、2003年にメジャーデビュー。TVアニメ「NARUTO -ナルト-」の主題歌「GO!!!」をはじめ、「コードギアス反逆のルルーシュ」「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」「交響詩篇エウレカセブン」など、数多くのアニメ作品のテーマ曲を手がけている。ロックバンドが創るアニソンロックフェスと題した自身初の主催フェス「FLOW THE FESTIVAL」は、2回目の今年も大盛況。2026年6月6日(土)・7日(日)に横浜・ぴあアリーナMMでの3回目の開催が発表されている。

FLOW
更新日:2025年8月7日