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特集 岬なこ×「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」

2025年にTVアニメ第2期が放送された、「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」(以下、「第七王子」)。
第2期のエンディング主題歌「Meteor」を担当し、ラミィ役としても出演した声優・岬なこさんが思う、「第七王子」の魅力とは――?
1月にリリースされた岬さん自身の2ndアルバム「Repeated Reflect」のエピソードとともに、お話を伺いました!

(「第七王子」は)気づいたら1話読み終わっていて、
一度読み始めたら止まらなくなる作品

――岬さんは「第七王子」に参加される前から作品のいちファンだったということですが、どのように出会ったのでしょうか?

岬:もともとTVアニメの第1期を観させていただいていて、「第七王子」のファンになり、「2期やらないかな、楽しみだな」と思っていたときにお話を頂いて、「あ、わたし出るんだ!」って(笑)。最近、転生ものの作品が増えていると思うんですけれど、その中でも「第七王子」は転生することに喜びを感じているというか、ロイド自身が魔術を楽しんで、ひとつひとつ学んで吸収していく姿が印象的で。そこに引き込まれてファンになり、少しずつコミカライズを読み始めました。

――転生ものの作品はよく読まれるんですか?

岬:転生もので、縦スクロールのマンガをよく読みます。読みふけっていたら朝、とか全然あります(笑)。

――(笑)転生を描いた作品のどういうところがお好きなんですか?

岬:読者自身は作品の中にはいないはずなのに、読んでいくとどんどん伏線回収をされていくような、ひとつひとつ気持ちがすっきりしていくような爽快感が好きです。どんどん没入していって、気づいたらわたしもその世界のモブになっているような気持ちになれるのもすごく好きで。選択肢がたくさんある中で、「この選択肢を選んだら絶対そんな遠回りせずにうまくいくのに!」みたいな選択を主人公が取ることもあって、たまにモヤっとすることもあるんですけど、実はその選択肢を取ったことで一度目の人生では出会わなかった人に出会うことができて、新たな味方をつけることができる。自分だったら二度目の人生を意図して歩むことができないので、それを疑似体験させてもらっている気持ちになれるのが好きですね。

――なるほど。

岬:言葉が直接的になってしまいますけど、ジャンルで言うと復讐をするものがすごく好きでして。それだけ聞くと、心が病んでいるように聞こえてしまうかもしれないですけど(笑)、アクション系のマンガで敵を倒して「カッコいい!スッキリした!」ってなるのと同じで、前世で悔しい思いをしていた主人公が力をつけてやり返していく様は、読んでいてすごく気持ちがいいです。主人公に感情移入をしているというよりは、第三者視点としてたまたま話を聞いてしまったモブ、みたいな立ち位置で見ることが多くて――ちょっとしたことの積み重ねや消化しきれない気持ちがあって、寝て忘れるにしても限度があるというか、無意識のうちに溜まっている気持ちを、きっとマンガが消化してくれているのかな、と思います。

――「第七王子」のコミカライズをまだ読んだことがない方にオススメするとしたら、特にどんなポイントを伝えたいですか。

岬:バトルシーンに臨場感がありつつ、キャラクターひとりひとりの表情が全コマ違っていて、コロコロ表情が変わっていくのを見るのが面白いです。気づいたら1話読み終わっていて、本当に詰まるところがないので、一度読み始めたら止まらなくなる作品だと思います。

――「第七王子」のアニメまたはコミカライズで特に好きなシーンやセリフを教えてください。

岬:キャラクターで言うと、タオちゃんとベアウルフのシロが特に好きです。モコモコした獣に非常に弱くて。パズズと戦うシーン(TVアニメ第1期第5話)で、「強い魔人との戦闘シーンなのか」と思っていたら、ロイドがまったく苦戦することなく、むしろ戦闘を楽しんでいたところにビックリして、ロイドの表情が年相応のかわいらしい表情から、「悪魔が宿ってますか?」というくらいミステリアスで危険な表情をするところが好きでした。魔術から解き放たれたベアウルフのみんながお母さんとかの元に帰っていく中で、シロだけロイドについてきて。シロの中に物を入れたり、ラミィちゃんが登場したシーンでもラミィちゃんの実験の資料をまるまる入れたりしていて、そういうシーンでシロは嬉しそうな表情をするんですね。その表情を見るのも好きです。

©謙虚なサークル・講談社/「第七王子」製作委員会

――岬さんはラミィ役として第2期の第18話から出演しましたが、「第七王子」の作品世界の一員になるのはどんな感覚でしたか。

岬:わたしは作品の中の街娘くらいのモブとして勝手に参加していたので(笑)、役名をいただけて嬉しかったです。でもラミィちゃんはまっすぐ向き合うのがなかなか難しい子で、嬉しい気持ちもありつつ、コミカライズを実際に読んでいても苦しくなるシーンだったので、アフレコのときに感極まってしまわないか、すごく心配でした。ラミィちゃんが大粒の涙を流しているシーンは、物語がひとつ進むきっかけにもなるシーンだと思うので、責任を持って演じたいな、という気持ちがありました。

©謙虚なサークル・講談社/「第七王子」製作委員会

――実際に映像を観てどう感じましたか。

岬:普通に泣きました(笑)。コミカライズでも胸が締めつけられるようなシーンだったのに、色がついて、音がついて、ひとつひとつの要素が足されることで、五感で泣いたような気持ちになりました――嗅覚はないですけど(笑)。アフレコ現場では、どちらかというと緊張が勝ってたんです。終わった後は「どうなるかな?」って不安があったんですけど、わたしもちゃんと「第七王子」の世界に溶け込むことができた安心感と、ラミィちゃんへの感情移入とで、情緒が忙しかったです。

――「第七王子」の第2期にはエンディング主題歌の「Meteor」でも参加されていますが、この曲は岬さんの中でどんな存在ですか。

岬:わたしの中では、日常に溶け込みすぎている曲です。ひとつの要因として、楽曲のイントロ部分に雑踏の音が聞こえるんです。信号の音や人や歩く音があって、気づいたら歌が始まって、気づいたら終わって、という感じで。わたし自身も、わりと日常の中で聴くことが多いです。

――日常でご自身の曲を聴くことはよくあるんですか。

岬:聴きます。聴き慣れておきたくて。自分の声に若干の嫌悪感と言いますか、恥ずかしい気持ちがあるのと、ずっと聴いておかないと聴き慣れなくて、いざ練習をするときに聴き直すと、ワンフレーズ目で止まってしまうんです。「あ、わたしだ」ってなっちゃうから、なるべく日常の中に自然と溶け込ませるようにしていることが多いです。その中でも「Meteor」は聴いていて優しい気持ちになる曲で、気持ちが一旦リセットされるような感覚があります。「Meteor」を聴くと、ゆっくり深呼吸できると言いますか、落ち着きます。実際にエンディングのアニメーションでも、ロイドが寝ているカットが使われていて。戦闘シーンやコミカルなシーンがある中でも、みんな平等に眠る時間があると思います。どれだけ忙しない日常があっても、寝ているときだけは落ち着いた気持ちでいられるのかなって思ったので、それに寄り添う形で歌わせていただいてはいるものの、わたし自身も若干その恩恵を受けているのかもしれません。

――ある意味、楽曲を届ける側としても理想的な展開ですね。

岬:まさかの展開でした。わたしはもともと歌に対する気持ちがあまり前向きではなくて、どちらかというと必死な気持ちが強いので、ひとつひとつ丁寧に向き合うんですけど、「どうなんだろう ? うまくいってるのかな?」という不安のほうが勝ってしまうことがとても多くて。その原因は自分の歌声に慣れていない、受け止めてあげられてないことなのかなって気づいて、そこから他の好きなアーティストさんの曲を聴く中に、自分の楽曲をちょっとずつ入れるようにしていった結果、自分のことをちゃんと受け止めてあげられて、自分の気持ちがちょっとずつ前向きになりました。

――「Meteor」には大きな反響があったんじゃないですか。

岬:作品を通して今までわたしを知らなかった方にも知っていただけるのは、こんなにありがたい機会はないなって思います。まったく連絡を取っていなかった学生時代の友達が突然連絡をしてきて、もともと「第七王子」が好きで観ていて、エンディングがすごくいい曲だなって思ってたら「え、これなこちゃん?」ってなったらしくて。最初、本当に気づかなかったって言われたんです。わたしであることがノイズになってほしくなかったので、自分だと気づかれないのはちょっと嬉しかったです。そのときはちょっと「しめしめ」って思いました。「エンディングを聴きたいから、またアニメを観たいです」とか、もったいないお言葉をいただいたりしましたけど、皆さんに作品を知っていただくひとつのきっかけになれるのも、すごく嬉しいです。

――岬さん自身が「第七王子」の世界に1日行くとしたら、誰になって何をしたいですか?

岬:モブで(笑)。たまにある「第七王子」の日常回というか、みんなで和気あいあいとしているシーンに、ちょっとだけ混ぜてほしいです。食べ物を食べてるシーンを観るのがとても好きでして、城下町でだけ売っているご飯を食べに行ったり、ロイドの立場で言うと王子ではあるので、お忍びで行かないといけないですけど、そこにちょっと混ぜてほしいです。なので、ご飯が食べたいです(笑)。それと、ロイドに振り回されたい感覚もありますね。きっと一緒にいたら楽しいので、みんなが冒険している中にしれっと混ぜてもらって、しれっといなくなりたいです。

――dアニメストアで「第七王子」のアニメを視聴する方、電子書籍を読まれる方にメッセージをお願いします。

岬:コミカライズやライトノベル、きっとアニメもそうなんですけど、できればまる1日お休みの日に観ることをオススメします。なぜかと言うと、本当にびっくりするくらいスムーズに作品を読み進められてしまうので、そこがすごくいい点ではあるんですが、「次が気になる、でも寝なきゃ」みたいな、わたしのようにならないよう、お休みの日に一気に観る楽しみ方をすると、より一層「第七王子」の世界に入り込めると思います。必ずお気に入りのキャラクターもいると思うので、入口はどこからでもいいと思います。

ふとしたときに曲が聴きたくなる、楽曲が自然と溶け込んでいくような存在になりたい

――「Meteor」を含むご自身名義の2ndアルバム「Repeated Reflect」をリリースされましたが、岬さん自身はどんなアルバムになったと感じていますか。

岬:「岬なこがいっぱいいるな」「いろんな岬なこがいるな」って、自分でも思いました。アルバムを作るお話の中でテーマとして「旅」というワードをいただいたので、わたしもちょっと冒険したいなって初めて思えて。自分で言うのもちょっと恥ずかしいですけど、めっちゃいいアルバムになったと思います(笑)。「本当にひとりで全部歌ってるの?」「いろんな声色があって楽しかったです」とかありがたいお言葉をいただけて、聴いている皆さんも冒険ができるようなアルバムになったと思います。

アルバムの最後に「いろづく」という楽曲が入っているんですが、わたしの中でわりと等身大な楽曲で。曲の良さが届いてくれれば、岬なこの存在を消して聴いていただいても全然いいんですけど、最終的に「いろづく」がエンドロールのような感じになって、そこに落ち着けばいいなと思っていて。だから、アルバムの中で最後の「いろづく」はとても大事だなって思いますし、そこから最初に戻ってループに入ってもらえたらいいな、と思っています。

――「いろづく」を聴くと、岬さんの1stアルバムを聴きたくなるところもありますよね。

岬:「いろづく」を聴いて、1stライブを観たくなってライブの映像を観てます、という方もいました。「嬉しい!」と思いつつ、「いろづく」の作詞をさせていただいたのが2023年の1stライブのときなので、若干恥ずかしい気持ちもあります。

――当時の心情がわりとむき出しで入っている歌詞なんでしょうか。

岬:むき出しすぎて(笑)。当時の気持ちを殴り書きのようにうわーって書いたものを、抜粋して歌詞にまとめていただきました。アルバムがリリースされて、そのメモを読み返しながら聴くと、恥ずかしさが勝ってしまいます(笑)。このアルバムに入ることによって、わたし自身も初心を忘れないように、改めて皆さんへの感謝の気持ちや、自分が歌とどう向き合っていくか、という思いも含めて、ありのままの自分の芯の部分を大事にしていきたいな、と思うきっかけになりました。

――「いろづく」の歌詞を書かれてから少し時間が経過していますが、ご自身の中で変わった部分はあると感じますか。

岬:2、3歩くらいは成長できているかな、とは思いますけど、今回のアルバム制作を通して、わりと自分を見失ってしまうことが多々ありまして。わたしの歌との向き合い方だと見失わざるを得ないというか、自分自身で歌おうとすると歌えないんですね。ひとつひとつの楽曲に対して、自分ではない主人公を作って、「この子の心情で歌おう」という向き合うことが多いです。自分の引き出しでは限界があるので、いろんなマンガや他のアーティストさんの音楽に触れて、吸収したもので人格を作り出しています。そういうことをしていると、「あ、わたしどこだっけ?」と見失ってしまうことが多かったので、「いろづく」が自分に引き戻してくれる立ち位置にあると思います。

――曲に対するそのアプローチは、ご自身で編み出した方法なんですか?

岬:最初は、歌から逃げたのがきっかけでした。もともとグループの活動でデビューをさせていただいて、多くの歌と関わる機会があったんですけれども、「自分の歌」と向き合う機会がなくて、うまく向き合えない期間が長かったです。ずっとマイナスにいたけど、今はスタートラインというか、やっと0かプラス1になれた気がします。声優としてお仕事をさせていただく上で、声で感情が届く、悲しい気持ち声に乗せたらそれが皆さんに届いたりもするので、お芝居が好きだからこそ、わかりやすくマイナスが届くと危険だと思った結果、「歌を歌わないようにしよう」が最初にたどり着いた答えでした。

――「自分の歌」として歌わないという意味ですか? それとも物理的に歌わないということでしょうか。

岬:誰かに話しかけるとか、話し言葉に近い形でひとつひとつをセリフみたいにすればいいかなって。今こうやって話してる言葉にも、若干の音階があると思うんです。わたしは音符を意識するだけだと変に力が入ってしまって、まっすぐ歌に向き合うことができないと思ったので、「歌を歌わないようにしよう」と思いました。セリフにフォーカスを当てていった結果、なんとなくの人格を作って、作品のタイアップだったら作品に登場する子たちを知って、その子の心情に寄り添って歌うようにしたり。最終的に落ち着いたのが、曲の主人公を作って歌と向き合って、自分で味方を増やそう、という向き合い方です。

――1曲ごとに答えを探す道のりが大変じゃないですか?

岬:もともと、想像を膨らませたり、妄想世界に浸ったりするのがとても好きでして(笑)。これを読んでくださった方でうなずいてくれる人がいるといいな、と思うんですけど、「授業中に敵に襲われて、窓から飛び出してわたしだけ空を飛べる設定にしよう!」とか「学校が襲われたらわたしは魔法を使って自分だけがチート能力を持っていて――」みたいなことを授業中に考えていて、想像は全然苦ではなかったので、それがわたしには合っていたのかもしれないです。きっかけは歌から逃げることだったけど、たまたま逃げ道にそれがあった感じで、声優とアーティスト、両方をさせていただける岬なこだからこそ、こういう歌の向き合い方にたどり着けたのかなって思います。

――アルバムを経て、4月からは3公演のツアーが予定されていますね。

岬:ライブならではの盛り上げ方や聴かせ方ができるようにしたいです。ライブでしか作れない空気感であったり、歌のニュアンスのつけ方であったり、その日しか感じることができないのがライブの醍醐味かなとは思うので。もともと緊張しいで、あがりやすくはあるんですが、緊張していることをちゃんと自分でわかるようになったことで、ライブに前向きになりました。「緊張=悪いもの」と考えると、不安なほうに思考が傾いてしまうことが多かったので、自分が緊張していることをステージに出る前に声に出すことで、ライブも久々で緊張はするでしょうけど、それもひっくるめて力に変えられるかな、と思います。

――声優や歌手として、これからどんな表現者になっていきたいですか。

岬:声優のお仕事を志したときから、誰かに憧れられるような人間になりたいなってずっと思っています。でもいろいろな活動を経て思うことは、誰かの人生の――モブっていう言葉がいっぱい出ちゃいますけど(笑)、メインにはなりたくないんですね。ふとしたときに曲が聴きたくなる、とか、楽曲が自然と溶け込んでいくような存在になりたいです。わたしの人生もそうですけど、皆さんそれぞれが生きている人生の主人公はその人自身で確定しているじゃないですか。わたしはその人の物語をちょっと彩ることができる、サポートができるような存在でありたいと思っています。誰かにそっと寄り添えるような人になりたいですし、少しでもそういう方が増えたらいいな、と思います。

※本キャンペーンは終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

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岬なこ
岬なこ

2021年に「ラブライブ!スーパースター!!』の嵐千砂都役で声優デビュー。2023年7月には1stアルバム「day to YOU」をリリースし、自身名義の音楽活動をスタートした。2026年4月からは「岬なこ2nd Live Tour Reflection」を東名阪の3都市で開催する。
https://misakinako.lantis.jp/

©謙虚なサークル・講談社/「第七王子」製作委員会

更新日:2026年3月1日